お金のあり方

時は金なり(Time is money)の語源とその本当の意味とは?

『時は金なり』とアメリカ合衆国建国の父

『時は金なり』という諺(ことわざ)があります。時間はお金と同じように非常に貴重なものなので無駄に浪費してしまうことなく、できる限り有意義に使いましょうといった意味合いの言葉になります。

この『時は金なり』という言葉は英語から来ています。英語のTime is money(タイム イズ マネー)が語源になります。この言葉もおそらく一度は聞かれたことがあるんじゃないでしょうか?

日本語の『時は金なり』という言葉は、この『Time is money(タイムイズマネー)』の考え方が日本にやって来たときに日本語に翻訳された言葉なのです。

この『Time is money(タイムイズマネー)』を言ったとされるのが、アメリカ合衆国建国の父の1人で、100ドル札紙幣の肖像画にも描かれている、政治家、作家、物理学者として多方面で活躍したベンジャミン・フランクリンという人です。

彼が著した、Advice to a Young Tradesman(邦題:若き商人への手紙)のなかに

『Remember that time is money』

という言葉が記されてます。

直訳するのであれば『時間はお金そのものであることを忘れるな』といった意味になります。

また、彼の別の著書『自伝』のなかでは、彼の信念を13の項目にまとめたうちのひとつである『勤勉』の項目において、

「時間を空費するなかれ。つねに何か益あることに従うべし。無用の行いはすべて断つべし」

という言葉も残しています。

こうした言葉から、時間を浪費することがどれだけ人生を無駄にすることに繋がるのか、そして、時間を浪費するという選択をするのはいつも自分で、自分の望む人生が実現するのを妨げているのは周囲の人や環境などでは決してなくて、いつも自分なんだということをよく理解して生きていたことが伺えます。

何気なく生きていると時間はいくらでもあるようについつい錯覚しやすいのが私たち人間です。でも、誰でも知っているように命が有限である以上、時間も決して無限ではなく有限で貴重なものなのです。

お金が現代の資本主義社会を生きていくうえで非常に重要なものであることは誰でも知っています。そのお金と同じかそれ以上に時間は貴重なんだよ、ということを私たちに思い出させてくれているのが、この『時は金なり(Time is money)』という言葉なのです。

ベンジャミン・フランクリンの生家

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『時は金なり』の言葉の本質は機会費用(opportunity cost)の概念にある

この『時は金なり(Time is money)』という言葉はまれに、「時間は全てお金に換算して考えないとダメ」であったり時間は全てお金に換金することを前提に考えるべき」といった誤解をされる方もいらっしゃいますがこれは誤りです。

というのも、『時は金なり(Time is money)』という言葉は機会費用の考え方の重要性を私たちに教えてくれている言葉だからです。

機会費用(opportunity cost)とは、別の選択肢を選んでいれば手に入ったはずの利益を差す言葉です。

例えば、あなたが今、学生だとして、夏休みにアルバイトをして10万円を稼ぎたいなあと思っているとします。お金を稼いだら、ずっと欲しかったアレが買えるなあ、とか、ずっと行きたかったあの街へ旅行に行けるなあ、とか、いろいろと妄想している状態ですね。

そして、いよいよめぼしいバイトが見つかって、さあガンガン稼ぐぞ!と意気込んではみたものの、いざバイトに応募しようとしたら、急に面倒くさく感じてしまい、「お金は欲しいんだけど働くのは面倒だしなあ・・・」と急に気持ちが萎えて、結局バイトに応募しなかったとします。

その結果、夏休みの間はアルバイトには行かずに、結局だらだらとゲームをしたり、マンガを読んだり、友達と何をするでもなく無為な時間を過ごしてしまったとします。

この場合、仮に夏休みにアルバイトをして働いていれば10万円を稼ぐことができたはずなのに、そうすることを選択しなかったことを差して

「10万円を払って、だらだらと過ごす時間を買った」

という風に考えるのが機会費用の考え方なのです。

だらだらと時間を過ごすことは、一見すると一切お金を使っていないように見えます。でも、それは『時は金なり(Time is money)』が教えてくれている言葉の意味がよく分かっていないだけなのです。

アルバイトをしていたら手に入ったはずの10万円を捨てて、だらだらと時間を過ごしたということは『10万円でその”だらだら時間”を買った』のと同じだからです。

この機会費用の考え方は意識していないとなかなか気づけないもの。この考え方をよく理解して日々の生活のなかで活用している人とそうでない人とでは、収入の面はもちろんのこと、人生の充実感や幸福感といった目に見えない部分でも圧倒的な差が生まれてしまうのはそうした理由があるんですね。

「聞いたことがあるけど(意味をよく知らなくて)・・・」で止まってしまうことほど、人生を損していることはないと言えます。

他人の時間を奪う人はお金にモテない

私は独立起業してから、たくさんの方とお会いしてきました。

そのなかには経済的に大成功された方もたくさんいらっしゃったのですが、そうした経済的にも精神的にも余裕のある人生を手に入れた皆さんに共通しているものがひとつあることに気づいたのです。

それがお金よりも時間を大事にして生きているということだったのです。

自分の時間はできるだけ自分の意志で自由に使えるように意識しながらコントロールしていて、その貴重な時間を上手く使いこなすことによって、結果として上手くお金にモテていたのです。

お金そのものをガツガツと追いかけるのではなくて、時間を上手に使って、他の人がしたことのないような経験や体験を積極的にしてみたり、新しい分野について積極的に学んでみたり、自分の知らない世界をよく知っている人に会いに行って、その分野の話を聞いて視野を広げるために自分の時間を優先的に使っていたのです。

彼ら彼女らがそうした時間の使い方をする理由は、先にお話した『時は金なり(Time is money)』の本質である機会費用の概念をよく理解しているからです。

目的もなくただだらだらと過ごしたり、したくもなくことをイヤイヤすることに時間を使うのは、本当に自分がやりたいことやしたいことをした時に得られたはずの利益を自ら捨てているのと同じです。

そのことをよく理解している人ほど時間を上手に使おうと意識した日々を過ごしているので、結果として、よりお金にモテやすい傾向にあるんですね。

そうした背景もあって、時間の使い方に対して意識の高い人ほど他人から時間を奪われることを極端に嫌う傾向にあります。

だから、例えば、初対面で自慢話や売り込みのような自己紹介をする人、誰の紹介もないのにいきなり「会ってお話させてください」と言ってくる人、イベントに参加申し込みをしたのにも関わらず直前になって自己都合でキャンセルする人、みたいな残念な人たちからは、できるだけ距離をとって、できるだけ関わらないようにして、自分の時間を奪われないように細心の注意を払っているのです。

でも、これは逆の立場で考えてみると当然と言えば当然ですよね?

ただの自慢や売り込みばかりの自己紹介をする人に対しては、無意味な話を聞いている分だけ時間を無駄に浪費した(もっと他のことに時間を使えたのに・・・)と感じるのが人間というもの。

また、紹介もないのにいきなり「会ってお話させてください!」と言ってくる人には、「一体この人はどんな人なんだろう?」「何のために会いたいんだろう?」「何か売り込みをしたいのかな?」「どんな風に返事を返そうかな?それともスルーしようかな?」とあれこれと悩んでしまい、結果、自分の意志とは無関係に時間を奪われてしまったと感じるでしょう。

さらに、イベントに申し込んだのにも関わらず直前でキャンセルする人に対しては、もしそのイベントが満席だった場合、その人が参加申し込みをしていなければ申し込みをすることのできた人の機会を奪ったのと同じですし、主催者側も事務作業の手間も増えて時間が減り、収入も減ってしまっているということに全く意識が向いていない無頓着な人なんだということが透けて見えてしまいます。

そうした人と積極的に関わりたいと感じる人は普通はいないと考えるのが自然ですよね?

そういう意味でも、時は金なりという名言が教えてくれる機会費用の概念をよく理解して、お金にモテるようになりたいのであれば相手の時間を奪うような行為をできるだけしないように心がけることが絶対に不可欠なのです。

他人の時間を奪うことに意識を向けられない人は絶対にお金にモテることはないと断言できます。私も含めて、人間誰しも自分のことばかり考えていると、ついつい無意識にやってしまいがちですので十分注意したいポイントですね。

名言は実践できてはじめて意味がある

名言は知っているだけでは意味がありません。というのも名言は実践できてはじめて意味のあるものだからです。

『時は金なり(Time is money)』

この名言を一度は聞いたことのある人や知っている人はとても多いと思います。

でも、その本質である機会費用の概念を理解したうえで、日常生活のなかで実践しながら、人生をより良くするために現実に役立てることの出来ている人はそれほど多くないように私は感じます。

そもそも名言というのは本質的かつ抽象的な概念であって、その言葉を発した人が、その境地に辿り着くために膨大な数の試行錯誤を繰り返しながら、余分な情報を徹底的にそぎ落として、本当に必要な核となる部分だけを削り出してギュッと凝縮したエッセンスです。

だから、名言を自分の人生に活かそうとするのであれば、言葉の表面だけをなぞって分かったつもりになるのではなくて、その言葉の背景にあるその人のひととなりを理解したうえで、そのプロセスに目を向ける必要があるのです。

世界的に有名な大富豪と呼ばれる人が「人生はお金じゃないんだよ」と言うのと、日々の生活のお金にすら困っている人が「人生はお金じゃないんだよ」と言うのとでは全く意味も価値も違う理由はそこにあります。

そうした言葉の裏に隠れている本質に意識を向けながら、日々、機会費用の視点を通じて『時は金なり(Time is money)』を実践しながら、自分らしい人生を生きていきたいものですね。

人生はたったの一度きり。死ぬ直前に「あれをやっておけばよかった・・・」と後悔しないように、今日から『時は金なり(Time is money)』を実践していきましょう。

時間の経つのは本当にあっという間の『光陰矢の如し』で、しかも、二度と取り戻せないものなのですから。

おまけ

以前に私が主宰している講座のなかで、この機会費用の考え方について、今回のバイトの例をあげながら分かりやすく解説した音声がありますので、「機会費用って今回はじめて知ったよ」という場合はぜひ一度聞かれてみてください。

そうすることであなたが望む方向へと人生が進んでいくようになりますので。

ABOUT ME
ともたけ@お金のしくみ研究家
お金を研究し続けて25年。世界で唯一の東大卒お金モテコーチ。株とFXで2度に渡り約1,000万円失った後、自分のあり方がお金に影響するお金のしくみに開眼。貯金ゼロで独立後、年商1,000万円超を継続。競馬で61万円1点勝負的中経験あり。2020年に仲間と台風被災地へ211万円寄付。
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